7月8日(すみげの日記より)
どうしてこんなことになったんだろう。
この前、バレンタインで仲間になったぱうえるとゆきえの3人でホーリーローリーマウンテンに入った。たくはバレンタインに残った。
敵が強くて逃げ回りつつ、小屋を見つけたのでそこで泊めてもらうことに。
何かゆきえの様子が変で。そばに居て・・・って。
夜はとても静かだった。ゆきえが踊ろうって誘ってくれて、ぼくらは二人で踊ったんだ。
ゆきえの手はとても温かくて、ぼくも幸せな気分になった。
翌朝、目がさめると既に起きていたゆきえがじっとぼくの顔を覗き込んでて、驚いた。
「私のこと、好き?」
突然で、なにを言っているのかわからなかった。何秒かボーっとしてるともう一度聞かれた。
ぼくは恥ずかしかったけど、正直に答えた。ゆきえが「ありがとう」って言ってくれて、うれしかった。
いきなりぱうえるが入ってきてびっくりした。ぼくはきっと耳まで真っ赤になってたと思う。
そのときだった。
物凄い地響きと轟音がぼくらを襲った。慌てて外へ飛び出ると、サルの遺跡の前にいたのと似たような、青い巨大ロボットがいた。
ぱうえるの目つきが変わった。
ぱうえるがロボに飛びかかる。巨大ロボはまるで虫でも払うかのように、ぱうえるを吹き飛ばした。それでも、何度も何度も飛びついた。
ぼくとゆきえも助太刀しようとした。すると巨大ロボは力をこめて地面を殴った。岩盤がはがれてぼくらに襲い掛かる。
ぱうえるがぼくとゆきえの前に飛び出して、岩盤がもろに直撃した。
ぼくたちは気を失った。
気がつくと、ぼく達はホーリーローリーマウンテンの外の小さな小屋にいた。たくが助けてくれたらしい。
ゆきえはもう気がついてて、ぼくが目を覚ますと泣き出した。丸二日眠っていたそうだ。
たくも一緒に喜んでくれた。でも、彼の顔色はとても悪かった。
ぱうえるは全身ボロボロになってしまってて、とても旅を続けられそうにない。
またこんなことが起こるのかも知れないと思うと、たく自身もとても旅なんてできない。誰かが傷付くのは見たくない。旅はもう終わるべきだ。
たくがそう言いながら座り込むと、ぱうえるが怒鳴った。
「てめぇのそのチンケな勇気、最後まで振り絞りやがれ!!」
小屋のおじさんが無理に喋らないように注意したけれど、ぱうえるはたくに喋りつづけた。
「てめぇは俺の親の仇を1人で討っちまうようなすげぇ奴なんだ!今更なに言ってやがるっ。ゆきえのかあちゃんやイースターの人達があそこにいるんじゃねぇのか!?てめぇはそいつらを放っておいて、今更逃げんのかよ!」
時々、ぱうえるの表情が苦痛に歪んだ。でも、彼は延々と怒鳴りつづけた。
たくは・・・いや、ぼくたちはぱうえるをここに残し、旅を続け、やり遂げる決心をかたくした。
「俺たちは必ず平和を取り戻せる。信じてるぜ」
ぱうえるはぼくたち3人にそう言うと、安心したようにまた眠った。
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