６月１７日（たくの日記より）
叩き起こされた。
「ロケットを飛ばしたのは君かっ！」
わけもわからず、ぼくは反射的に「ハイ」と答えてた。答えてからしまったと思ったけど、もう遅い。なにやら外が大騒ぎになっている。
どやどやとカメラマンが入ってきて、ぼくの写真をとった。寝起きでひどい顔をしているだろうが、そんな事には気が回らない。
きっとあのロケットが大変なことを仕出かしたのだ。ぼくは警察に捕まって、くさいご飯を食べる事になるのだろう。あぁ･･･。
しかし、どうやら自体は悪い方向には向いていないようだった。
随分前に起きた土砂崩れによって、線路を塞いでいた巨大な岩。
ロケットはその岩を吹き飛ばしたらしい。
ぼくとすみげは犯罪者どころか、町の英雄のように扱われた。
実に気分が良い。
と言っても、ずっとここでチヤホヤされているつもりは無い。すみげもそうだった。
せっかく電車が動くようになるということで、ぼくらは早速予約した。一番遠い、スノーマンまでいってみる事にした。
ここからスノーマンまでは遠く、電車で一泊することになるようだ。
電車に乗ること自体初めてで、いきなり泊り込みとは貴重な体験だ。
