6月3日(すみげの日記より)


 朝、ピッピの家でご飯を食べて、動物園へ向かった。

 動物園の前にサルがいて、なにやら悪態をつくとカギを盗まれてしまった。でも動物園の扉は壊れてて、カギは必要なかったみたい。

 で、本当に動物たちが大暴れで。象なんかはオリ壊しちゃってもうヤバすぎる。

 気付いたのは、変な音だ。動物園中を包むように、どこからか変な音が出てる。探して見ると、どうやら管理事務所からその音は出ていたようだ。
 中に人はいなくて、なにやら大きなカプセルが宙に浮いていた。

 突然それが開いたかと思うと、何か飛び出した。

 宇宙人だ!

 全身銀色で、頭の目の部分(?)だけ黒くなってる。左胸にも何やら模様が入ってた。形は人間だけど。

 宇宙人は襲い掛かってきた。バットで何とか戦っていたんだけど、突然その宇宙人は動きを止めた。
 すっと手を出したかと思ったら、ビームを発射した。

 よけきれない!

 そう思った瞬間、胸につけていたフランクリンバッチがそのビームを跳ね返し、宇宙人は溶けるように消えてしまった。
 あやしい音は消えた。


 宇宙人は何度か、超能力らしきものを使ってた。PSIってやつだ。
 パパは、ぼくにもその力があると言ってた。

 面倒で読んでなかったひいおじいさんの日記をちょっと読んでみた。PSIの研究もしてたのだ。

 大半は何を書いてるんだかさっぱりだ。でも、幾つか分る部分もある。
「ライフアップ」とか「オフェンスアップ」とかいうものだ。
 そこに書いてあるように念じると、膝の擦り傷が治ったり、なんか力が出てきたりした。

 感動した。ぼくは超能力者だったのだ!



 外に出ると動物たちはおとなしくなっていた。その中で、なにやら目を引くサルがいた。さっきカギを盗んでいったやつとは別のサル。
 看板を見ると「世にも珍しい、歌うサルは当シュークリーム動物園にしかおりません」みたいな事が書いてあって。
 そのサルはしみじみと歌いだした。

 とてもキレイな曲。

 ふと、ミミーの人形から流れたオルゴールの音を思い出す。どうも、つながってるように感じる。
 いや、明らかに二つのメロディはつながっていた。この曲は未完成品なのだ。

 最後まで聞いてみたい。そう思った。



 マザーズデイに帰らず、カナリア村へ寄ってみた。村と言っても人は一人しかいなくて、後はカナリアばっかりだ。
 その、たった一人の村長さんは僕を見つけると飛んできた。どうやらぼくが連れているカナリアのヒナはこの村のローラってカナリアの子供らしい。
 ぼくは返してあげる事にした。
 ヒナはまるでママの居場所がわかってるかのように、ぼくを案内してくれた。はたして、本当にローラに辿り着いた。
 すると、ローラはその美しい声で唄いだした。


 おどろいた。

 オルゴールのメロディ、歌うサルのメロディ・・・そしてローラのメロディまでもがつながっている。
 ぼくはローラのメロディを覚えこんだ。


 ローラが歌ったのはとても久しぶりらしくて、村長さんは上機嫌だ。で、一晩ここにとめてもらうことになった。


 外からは時折、カナリアたちの声が響いて心地良い。










戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送