若師物語

それは小さな村。

「やーい。ぶさいく女」
「髪の色も変だし、肌も変な色ー」

「ふえーん」

いじめっ子達にからかわれ、少女はついに泣き出してしまう。
「泣いたらもっと変な顔だー」

いじめっ子達は尚も少女をあざけり、髪を引っ張ったりする。
少女はいじめっ子達を怨んだ。
自分を怨んだ。
親を怨んだ。

どうして私だけこんな目に遭うの?
何も悪い事してないのに。
やだよぅ。やめてよぅ。

いじめっ子達の顔が卑屈に歪む。

そのときだった。

「やめなよ!」

一人の少年が息を切らせながら走ってくる。
少女をかばうように座り込み、キッといじめっ子達を睨む。
一瞬たじろぐいじめっ子達。

「へーん。何だい。そんなのかばっちゃってさ。お前も気持ち悪ーい」
「その女よく見ろよ。お前だって変だと思うだろー」

さらに泣いてしまう少女。
もう、皆、私のことなんか放っておいてよ・・・。

「やめろって言ってるだろ!かわいそうだろ!」
さらに怒号を上げる少年。

「あっちの家の子より、そっちの家の子より」
少年は指を刺しながら続ける。
「この子が一番かわいい」

少女の頭を優しく撫でながら、少年は言った。
泣き顔からさらに真っ赤になってしまう少女。

いじめっ子達はその少年の真剣さを茶化す事が出来なかった。

少女は同年代の子に言われた初めての言葉にうっとりしていた。
凄く嬉しかった。嘘でも良かった。
ぽうっとした表情で少年を見つめる。

「ほっほっほ。まぁた喧嘩しとるのかね?」
一人の老人が歩いてくる。
貧乏くさい格好をしてはいるが、その堂々とした態度には風格があった。

「あっ、先生」
少年は嬉しそうな声をあげる。
「タッちゃん達がまたいじめてたんだよ」

大御所の登場にすっかり怖気ついたいじめっ子達。
「ふんっ。覚えてろよ!」
定番の捨て台詞を吐きながら、退散するいじめっ子達。
ほっとする少年。少女はその少年をじっと眺めている。
目が合うと、少年はにかっとまぶしい笑顔を見せた。優しく微笑み返す少女。
老人だけはその少女の表情の意味を汲み取っていた。

「ほっほっほ。偉いぞ。よく守ってあげたね」
「うん。またいじめられたら僕がまた守ってあげるんだ」
少女はいつの間にか握っていた少年の手を、さらに強く握った。
「ほっほっほ。タッちゃんと君は将来、好敵手になるかも知れんな」
「こうてきしゅ?」
「いずれ分るであろう」

「おや・・あれは・・・」
木の陰に、こちらの様子を窺う少年が居る。
いじめっ子達の一人である。
びくっとする少女。少年も少女をかばうようにして、そちらを睨む。
「ほっほっほ。大丈夫じゃて」
「え・・・」
「元くんの目を御覧なさい。仲直りしたいんじゃろう」

元くんと呼ばれた少年は困ったような、申し訳なさそうな目をして、
木の陰に隠れたり出てきたりしている。

少年は呼びかけた。
「ねえ!」
そう言って一度少女を振り返り、にこっとする。うなづく少女。
「一緒に遊ぼ!」

隠れていた少年はぱぁっと明るい表情になり、二人のもとへ駆け寄った。
「あ・・あの・・さっきは・・・その・・・ご・・ごめんね」
もじもじしながら、少女に謝る。
少女は「うん」と優しく応えた。

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〜〜〜あとがき〜〜〜
短っ。
こほん。未完成保育園の影響受けてます(ぉ
一応キャラ紹介。

少年→諸葛亮(孔明)
主人公かな?優しい孔明君でした。

少女→黄月英
将来、孔明君のお嫁さんになります。この頃から恋は始まった、と。

先生→水鏡先生→司馬徽(徳操)
孔明君やいじめっ子達の面倒を見ている人。(三国志と見比べないでね)

いじめっ子・・・・

リーダー→タッちゃん→司馬懿(仲達)
孔明君のライバルになる人。もう、この頃から仲悪いです。

他→設定なし。二人くらい居ます。

最後の少年→元くん→徐庶(元直)
別に出す必要も無かったんですけどね。まぁ、好きですから(何

あ、あと、年齢設定が変だという突っ込みは受け付けません(ぉ




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