「どわぁっっ!!!」
「何!何々???」
「あ・・・あれ・・」

指差した先には真っ白な小さな蛇がとぐろを巻いている。

「なぁんだ。かわいい蛇じゃないの」
「なぁんだって・・・お前・・・それ・・怖くないのか・・・」
「あら、兄様ったら、この子が怖いの?」
「そ・・それは・・・」

蛇は煩わしそうに2人を見やった。

「2人とも何やってるんだ?」
「ほら、見て」
「ほぅ・・奇麗な蛇だな・・・」

無造作に蛇を捕まえる孫堅。
「ぉ・・・おい・・こっち向けるなよ・・・」
「何だ伯符。怖いのか?」
「そうなのよ、兄様ったら」
「はっはっは。小覇王も形無しだな」

孫堅が豪快に笑うと孫策は不満げに膨れっ面になる。

「あっ」

孫堅の手の中をするりと抜けて白い蛇はささっと茂みの中に入っていった。
「あら、逃げちゃった」
尚香は少し残念そうだったが、孫策はほっと肩をなでおろす。
「いかんぞ伯符。蛇は元々温和な性格なのだ。毒蛇とて、無闇に人を襲ったりしないのだぞ」
「そうよ、蛇くんが可哀想よ」
「そ・・そういうものなのか・・・」
いまいち、納得がいってないようである。
「確か白い蛇は何かの化身だと聞いたことがあるが・・・ふむ・・何だったかな・・・」

「ぎぃぃゃあああぁぁぁぁぁ!!!!!」

物凄い悲鳴がとどろいた。
「今の声は・・」
「権兄様!?」

3人は声の聞こえた方向へ急いだ。
「どうした仲謀!」
「へ・・へへ・・蛇が・・」

顔を見合わせる尚香と孫堅。
一瞬のち、2人は吹き出してしまった。
「全くこの兄弟は・・・」
「兄様達ったら・・・ぷぷ」

呆け顔の孫権とバツが悪そうにうつむく孫策。

「あら?これは・・・」
先ほどから小雨が降り続いている。
その雨で土がぬかるんでおり、蛇が逃げていった跡がくっきりと見える。
「ふむ。2人に少し、蛇に慣れてもらうか」
「父上・・それって・・・」
「よし!皆でさがそ!」
ズンズンと茂みの中に入っていく尚香。
「まじかよ・・」

「見つかりませんね・・・」
今の孫権にとって諦める事ほど有意義なことは無い。
「もう遠くに行ったんじゃねぇか?」
「そうね・・・残念」

と、お尻を何かにぶつけた尚香。振り向くと、小さな少年が四つん這いになっていた。
「あら、君は?」
ぷいっとそっぽを向きながら「友達を探してる」と、少年は言う。

「何だ?その子供は?」
「友達を探してるんだって」
「ほぅ。どんな人だね?」
少年は孫堅の質問に答えようとせずにさっさと歩き始めた。首から下げた大きな鈴が静かにチリンと鳴っている。

「親父ぃ、見つかったかぁ?」
茂みから孫策と孫権が現れ、少年にぶつかる。
「んん?何だぁ、このガキは?」
「その子も誰か探してるみたいなのよ」
「では、ついでに探してあげましょう」
「ふむ。そうだな」
「んで、どんな奴なんだ?その友達ってのは」

「うるさい!!!!!」
少年は突然大声を上げた。
「おれに関わるな!仕事の邪魔だ!」

「仕事?」
4人は声をそろえて言った。
「お前らには関係ないだろ」
そう言って少年は去ろうとする。

「仕方無いな・・・・蛇探しに戻るか」

孫堅が言うと、少年の足取りは止まった。
そして孫堅に飛びつき「おい!今、なんて言った!」とはやし立てる。

さっと孫堅から少年を剥ぎ取る孫権。
「蛇だよ。皆で蛇を探してるんだ」
「もしかして君が探してる友達って、真っ白な蛇くん?」
「何でお前らがおれの友達探してるんだ?」

「いやぁ、飼い主が見つかってよかたぜぇ」
尚香が「飼いたい」なんて言い出したら、孫策と孫権には悪夢である。孫堅は「やれやれ」といった表情。

「ねぇ、君。さっき仕事って言ってたけど、あれってなあに?蛇くんを探す事?」
「違う・・俺とあいつで仕事するんだ」
「ふぅん。小さいのに偉いねぇ」
『小さい』というのが気に障ったようで、「馬鹿にすんな!」と怒る少年。
「おれは毎年仕事のためにこの山にきてるんだ。もう仕事納めなのに、あいつがいないと帰れないんだ」
「俺達が見つけてやるから、心配すんなって」
少年の肩をポンポンと叩く孫策。
「帰るって、家はどこだい?」
ふっと空を指差し、「あそこ」と言ってのける少年。

「・・・あそこって・・・空?」
「そうだ。お前達がいけない所だ」
どうやら嫌われてしまったらしい。孫堅はそう思った。
「雨がやめば少しは探しやすいのかも知れんな・・・」
「そうですね」孫権が続く。
「そんなこと言っても仕方ないわよ。さ、探そ」

「ふーん」
少年はうつむいてる。さっきから鳴っている鈴の音も心なしか寂しげだった。
「お前らは雨が嫌いなんだ。そうだよな。じめじめして気分が滅入るしな」
少し、投げやりに言っている感じがする。
「普通の人間は雨が嫌いだよな。そうだよな」

言葉を失う4人。

「そんな事は無いぞ」
孫堅が口を出した。
「俺はしとしとした雨に打たれながら散歩するのが好きだな」
「俺は水溜りに飛び込むのが好きだぜぇ」
「まぁ、兄様ったら子供みたい」
「う・・うるせぇな」
「雨が降ってくれないとお気に入りの雨具が使えないしね」
「雨の優しい音も良い。心が澄んでいくような気がする」

「お前ら・・・」

「晴れの日も好きだけど、みんな雨の日も好きよ?」

「そうか」

少年はニカッと笑った。すぐに後ろを向いてしまったが。
「おれ、向こう探してくる」
「なんだぁ?急に元気になったなぁ」
「雨降らすのが俺の仕事だからなっ」

そう言った瞬間、少年の足元が崩れた。
「うわぁっ」
とっさに孫策が少年の腕をつかんだ。
「あっぶねぇ・・ギリギリだぜ」

しかし、安心はできなかった。

「やべぇ・・雨で手が滑る・・・」
「ぁ・・あれは・・!」
孫権の視線の先、崖下に白い蛇がいた。
「それより手伝え!落ちちまう!」
尚香は孫策を、孫権は尚香を、孫堅は孫権を支える。

「もういいっ!大丈夫だから、手を離せ!」
「馬鹿やろう!何が大丈夫だ!」
「離さないと、お前らまで落ちちゃうだろ!あいつが見つかったから、大丈夫なんだよ!」

がらがらっ。
さらに足元が少し崩れた。

「絶対助けてやるからな!」
叫ぶ孫策。
「まったく・・・本当おせっかいだな、お前ら・・・」

そう言って少年は勢いよく手を振った。孫策の手から抜け落ち、崖下に落ちゆく少年。

「きゃああぁぁ!」
たまらずに悲鳴をあげる尚香。

瞬間。

辺り一面がまばゆい光で包まれた。

先ほどの少年と、もう一人別の少年が中空に浮かんでいる。
真っ白な服を着ている。頭には二本の長い尾のついた髪飾りをつけている。
よく見ると、それは細長い蛇だった。

「これは・・・」

「だから言ったろ?大丈夫だって」

白い服の少年がさらに大きく輝いた。
4人は目が眩んだ。「なっ・・」

ゆっくりと目を開けると、巨大な虹ができていた。虹の中に立つ少年。白い服の少年は消えていた。

「そうか・・・その昔、虹は8色だった。だが、やんちゃな白色だけが外に落ちてしまったという。あの蛇はその白色。そして虹を架けるための重要な一員だったのか」
「え・・それじゃあ・・」
「この虹がさっきの蛇くん?」

「さっき、雨が好きだって言ってくれたよな。ありがとう!」
そう言って虹を駆け上がっていく少年。
「じゃあな!来年も会おうぜ!」
元気な鈴の音が響いた。

4人はぼうっとしながら少年を見送った。
「雨を降らすのが仕事って言ってたわね・・・来年の梅雨になったらまた会えるのかな?」
「そうだな」
「よーし!来年もまた会おうぜぇ!」




〜〜〜あとがき〜〜〜
最初に言っておくと、これ、オリジナルじゃないです。はい。

登場人物→孫堅、孫策、孫尚香、孫権   ←多すぎたかも。でも、仲間ハズレにしちゃうのも可哀想だし・・ね。

少年→アメフラシ→甘寧  何で甘寧?別に意味は無いですよ。名前出てきてないし。
蛇→虹→呂布   触角といえば呂布。それだけ(ぉ

ほとんど科白だけで進んでるような・・・(汗
情景描写なんて皆無だし・・・精進します(言うのは簡単(何





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